元大手管理会社取締役_ブログ
【ある「元」大手管理会社取締役のつぶやき】

 【元管理会社取締役つぶやき その11】経済誌は管理会社のランキング特集で儲ける(その3)


経済誌が行う「マンション管理会社ランキング記事」の基になるアンケートの設問は疑問だらけです。

採点方法は記事の中で明かされますから、今回初めて登場する設問には各社知恵をひねって回答するのですが、実は滑稽な作業なのです。


〜前回の続きです〜


ず鯒一年間で受注したマンションの戸数と棟数はいくつですか。

調子に乗って実際の数字を誇らしげに申告するデベロッパー系の管理会社がありました。
親会社のマンション供給数が公表されているから当然です。

一方、毎年の管理戸数と棟数、昨年1年間の増加戸数と増加棟数はマンション管理新聞社などの独自調査で公表されますし、マンション管理業協会のホームページにはマンション管理の戸数と棟数の実績が3年間にわたって公表されています。

これらを分析するとこの会社が年間何棟、何戸のマンションを解約で失ったかがわかります。正直者は敵に弱みをさらし、信用を失うのです。この数字をどう回答するかは特にデベロパー系列管理会社の大きな悩みでしょう。



ズ鯒一年間で解約となったマンションの戸数と棟数はいくつですか。

このような企業秘密をまともに答える管理会社は無いと思います。それでも答えないと当然ランキングに乗せてもらえません。

現に、管理戸数上位の会社がランキングから全く外された事例もあります。経済誌は特集記事で業界を恫喝する力だってあるのです。



Ε侫蹈鵐肇泪鵑涼甘するマンションの戸数と棟数は平均いくつですか。

当然にフロント担当物当たりの担当件数や戸数が少ない方が高得点だと予想できます。
そのため間接部門(総務、経理、人事等)の人たちにもフロント業務を1〜2件持たせる管理会社があります。そうすると一気に担当する平均物件数と戸数が下がります。

そんなことをしなくても、適当に数字を答えたとして、フロントマンが本当にどれだけの物件を担当するかなんて社外の誰がそのことを嘘だと証明出るでしょうか。

フロントマンの担当物件数については別の機会にもう少し解説したいと思います。



Ы抄醗数と管理業務主任者、マンション管理士、一級建築士等専門家の在籍人数を教えてください。     

在籍者の数とは常勤の正社員でしょうか。

ある管理会社は、退職した管理業務主任者を、重要事項説明や管理事務報告の繁忙期に臨時アルバイトとして応援してもらっています。
法律に基づき従業者証も与えていますから在籍者として数えるでしょう。

管理会社と顧問契約をしているマンション管理士も在籍者数に含めるところがありそうです。
一級建築士に建物点検を外注しているのだから、外注先の建築士もカウントさせてもらうところもありそうです。

だんだんと怪しい数字が出来上がってきます。もっと言えば全く根拠の無い数字を回答するところも出てくるでしょう。これは管理会社だけに問題があるのでしょうか。



このような設問を答える側が正しく答える保証もなく、その内容を検証するすべもないのに経済誌がランキングを創出することこそ問題です。

一級建築士事務所や建設業を兼営する管理会社はそうでない管理会社に比べ、建築技術者が多数いるのは当たり前です。だからと言って管理業務の内容が優れているとは言えません。

数年前、大手管理会社で建築部門を兼営する会社が分社化で建築部門を切り離しましたが、その結果点数が下がるとしたら設問自体に意味がないのです。


大手管理会社の数社が、マンションの色々な設備管理を実際に体験できる大規模な管理員の研修センターを競って作った時期があります。そのタイミングで「独自の研修施設を保有しているか」といった設問が登場してあきれたものです。

管理員は自分が勤務するマンションの設備を熟知する必要はあっても、そうでない設備を勉強する必要はありません。

全国に散らばる大手管理会社の管理員全員を東京に出張させて研修するのでしょうか。
地方のマンションの理事長さんが、自分のマンションの管理員が東京に研修に行くとの理由で欠勤するとしたらどう思いますか?

何十億円もかけた研修施設を有効に活用できるのかは疑わしいものです。それより管理委託費を下げてほしいと言いたくなりますね。


経済誌も露骨なものです。こんな設問では、どの会社に点数を上乗せしたいのか一目瞭然ですね。
皆さんも「経済を論じると同時に経済活動をしている経済誌」のランキング特集ですから、マンション管理会社特集に限らず、いずれも本質がどこにあるのかを見極めながら活用されることをおすすめします。

菅 理(すが さとし)

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