元大手管理会社取締役_ブログ
 【ある「元」大手管理会社取締役つぶやき その31】管理会社選考プレゼンテーションの謎(その2) −


管理会社の比較検討をするためのプレゼンテーションでは、各社が工夫を凝らした提案を行います。
しかし、選ぶ側の管理組合の視点と、選ばれる側の管理会社の思惑を見較べてみると、以下のような何ともおかしなことがまかり通っているようです。


1.大勢での現場説明会出席
2.大勢でのプレゼンテーション出席
3.過度な広告宣伝

ここまでが前回記事です。


4.フロント担当物の受け持ち件数
「フロント担当物件数は何棟ですか、担当物件総戸数は何戸ですか?」
よく受ける質問です。

他社より多いと思われると、管理の手が回っていない管理会社と思われます。

「プレゼン用の正解」は5棟から6棟。
でも各社実際はその倍以上仕事をさせています。プレゼンでうそをついても誰にもわかりませんからね。


では、あなたのマンションで今手元に提示されている管理会社の事務管理業務費はいくらですか?


例えば月額6万円だとすると、フロント担当者の人件費に充てることのできる金額はいくらでしょうか。
会計や出納業務を担当する社員の経費も必要です。会社の利益も必要です。

フロント担当者の人件費に回る金額が3分の1だとすると、あなたのマンションから払える給料は2万円ですね。6棟担当すると12万円ですか。

こんなことでは工事業者からキックバックでも貰わないと回ってゆきませんね。


少ない担当物件数を管理組合が高評価することは、月収12万円の人が担当しますと言われて喜んでいるのと同じですけど……それでもやっぱりフロント担当者の受け持ち物件数は少ない方が良いとお考えでしょうか?



5.若手の正社員がフロント担当予定
管理会社には若手の正社員をフロント担当者としてどんどん配属している会社がある一方で、比較的高年齢の嘱託や契約社員を充てる会社もあります。

正社員が担当するということは、給料が上がるということです。その労働コストの将来増を消費者が引き受けるということにほかなりません。
それができず、管理委託料が据え置かれるなら、あなたのマンションは年を重ねるごとに管理会社にとって収益性の劣る、不採算物件に近づいてゆくということです。

「管理会社を儲けさせることができるからこそ管理会社と管理組合の良好な関係が末永く構築できる。」という観点に立てば、あながちベテランの嘱託社員や契約社員も悪くない気がするのですが……



管理会社が管理組合員からの好印象を狙って、大勢で押しかけたり、若手や女性を前面に出してプレゼンしたり、フロントの担当物件を過少申告するような茶番劇の裏側をご紹介しました。

虚飾にとらわれず、企業の理念や方針とそれを実現するための具体的な取り組みを見極めて、最善の管理会社に出会われますようお祈りしております。


菅 理(すが さとし)

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元大手管理会社取締役つぶやき 

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