「4階の○○ちゃん、例の進学校に合格したんだって…」
「おとなりのご主人、部長に昇格したんだって…」

人を羨ましい
と思うことは、誰にもあるでしょう。
マンション内のコミュニティが形成され、近隣の素性がわかってくると、「羨ましい」という感情がうまれ、場合によっては軋轢をうむ可能性さえあります。


かくなる私自身、そのような感情はないのかと言えばそんなことはなく、劣等感が自分の中から消えることはありません。


そんなとき、どのように対処するのか。
私は以下のようにします。
「自分は幸せだ、家族や友人に恵まれてる」と事あるごとに繰り返し言葉にする。
∩△泙靴い隼廚β仂櫃防蕕韻覆い燭瓩法△匹Δ垢譴个いい考えて行動する。
そもそも、本当にその人にすげかわって幸せなのか考えてみる。


今から20年ほど前、「羨ましい」という感情から恒例化した罰ゲームが存在しました。
ハラスメントという言葉がなかった時代、くれぐれも現代でやらないようにお願いします。


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優秀社員に選ばれるとハワイに行けるというバブリーな時代がありました。
その年、我が部署からは、Tくんが選ばれました。


これは皆で祝わないといけないと考えた私、罰ゲームを考案しました。
以下のミッションが、背筋も凍るゲームの全容です。



<優秀社員賞おめでとう!!罰ゲーム>
防災頭巾、防災リュック
あほメイク
首からゴマちゃん目覚まし時計
ぅ乾泙舛磴鷸計を鳴らしっぱ
(目覚ましの音は「きゅい〜ん!きゅい〜ん!ぼく、ゴマちゃん。朝だよ!」のエンドレス)
ツ名離淵鵐儷供人だらけの道を渡る
笑いながらスキップする
ティッシュ配りのお姉さんから受けとる
Г修琉貮始終をビデオで隠し撮りする

   
OEKAKI13



____人で溢れる大都市、夕暮れの繁華街
意を決したTが事務所を出ていきます。


ナンパ橋が一望できるビル。
3階の窓から、ビデオで隠し撮りする私たち。


1階のエントランスから、Tが勢いよく出てきました。



Tは__おもむろに立ち止まり、こちらを見上げます。
今にも泣き出しそうな、この上なく情けない表情…



 (しっしっ!!)
 ジェスチャーであしらいました。



緊張からか、ただ、もつれた足で駆けるT
ミッションА▲好ップになってません。



喧騒に紛れ、かすかに聞こえる
「きゅいーん、きゅいーん」



Tは、橋の向こう側にいるお姉さんから素早くティッシュを受けとると、スキップを完全に忘れ、ボルト級のダッシュで事務所に戻ってきました。
 「やったぞ!!!」



ハワイを手中に納めた、テンションマックスのTに、氷のような声で私は告げました。
「あんなのスキップじゃないよ。だめ、はいもう1回」



Tは、子犬のような目で、所長を見つめましたが__
 「だめだな」
非情なる天の審判…




次の瞬間
勢いよくきびすを返したT
今までと明らかに何かが違います。


そう、優秀社員賞の理由が、灼熱の炎と化したその両眼にありました。


OEKAKI14

アザラシの鬼神と化した企業ソルジャーT、桜舞う街へ再発。


__Tの後ろ姿が見える
完璧なスキップ
ナンパ橋の向こう側、失笑するお姉さんからティッシュを受け取り、深々と一礼
Tが振り返った
さわやかな笑顔、いや、完全に笑っている

__Tは1度だけ天を見上げ、大きく息を吸った
ステップを踏み出した
軽やかなスキップ、笑う、いや爆笑している……春風を切りながら




街を行き交う人々の、幽霊でも見たような表情など微塵も気にせず、アザラシの鬼神T、事務所へ生還。
「今度は完璧っしよ!!」



パーフェクトな演舞、もはや文句の出ようがありません。
鳴りやまぬ拍手の中、ハワイ行きを確信した笑顔満面のT__


しかしながら
『お疲れさま・・』と言いかけた私たちの前に、容赦ない先輩Kが放ったひとこと。

  

 


「録画ボタン押すの忘れちゃった。もう1回」


【マンション管理組合の学校 事務局 マンション管理士おさらぎ】