都内の某マンションの理事会で、管理会社を変更(リプレース)するという話になりました。
フロント担当の誠意の無さはもとより、管理会社自体に不信感を抱いた管理組合が、三行半(みくだりはん)を下した状況です。
そのため、現行の管理会社を含め、3社の相見積もりをとり、サービスの質を比較することとなりました。


翌月の理事会、いつもと違ってなにやら管理会社のスタッフがぞろぞろと勢揃い。
ダンディーオーラ満載のなんちゃら取締役本部長、現場のトップ自らのお出ましです。


議事の最中、ダンディー本部長、「ひとことよろしいでしょうか」のあと、わが社がいかに顧客満足を追求する企業理念なのかを長々と熱弁。
恐らく「リプレースは俺が食い止める」くらいのことを部下に豪語してきたんでしょうが、ご立派な企業理念とはおよそかけ離れた実態を理事長に厳しく指摘され、火に油を注いでました。


__私は率直に、こう思いました。
「あ、この人のせいで終わったな」


重要人物は、そのひとことの重みに気づき、発言には細心の注意をはらわなければなりません。
私が経験した、全てをブチ壊した「重要人物のひとこと」を紹介します。

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同期入社Mの披露宴に招待されました。
可愛らしい新婦は初婚でしたが、Mは破滅的な酒癖が祟り、2回目という名の最後の披露宴でした。
 
 
2回目のくせ……立派なホテルで挙げた披露宴はとても豪華でした。
100人くらいは列席していたと思います。
 

沖縄出身のMの披露宴らしく、カチャーシーという伝統の祝いの躍りを親族が始め、その賑わいにつられて、新郎新婦の友人たち(もちろん私)も躍りだし、宴は大いに盛り上がりました。
 
 
2回目のく……とてもよい雰囲気の披露宴も佳境を迎え、新婦から両親への花束贈呈の段階になると、新婦の友人からはすすり泣く声もあがりました。
 
 
花束が贈呈されると、新婦から両親への感謝の手紙が、涙ながらに読み上げられました。
不器用ながら必死に育ててきたお父さんへの感謝の言葉には、年頃の娘がいる私にも「ぐっ」とくるものがありました。
 
 
締めはMのお父さんからの挨拶。
沖縄なまりの陽気なお父さんですが、娘がひとり増えることの喜び、そして実は新婦のお腹に宿っている、新しい家族への愛情あふれる言葉が驚きと感動をよびました。
 

友人の笑わせるスピーチ、全員が一体となったカチャーシー。
ラストの泣かせる演出。
このような心温まる披露宴に招待されたことを、本当に嬉しく思いました。


__すると、司会からアナウンス。


「ここで、本来はめでたくお開きとすべきなのかもしれませんが、新郎から皆様にどうしても直接お礼を申し上げたいとのご依頼がありました。本当に最後となりますが、新郎より挨拶を頂戴したいと思います。」
 

水を打ったような静けさに包まれる会場…
オオトリ、そして本日の主役、Mに注がれる200の眼差し…


両手をポケットに突っ込んだまま、ズイっと前に出たMの第一声__
  
 

 OEKAKI36




「えーーー、まぁーー、特に無いんですがぁ」

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